(写真右)株式会社キタムラ IT本部 業務IT部 部長 鈴木 祥高 様
(写真左) 同 BI/CDPグループ マネージャ 栗橋 勇太 様
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About
株式会社キタムラ
事業内容:「カメラのキタムラ」「スタジオマリオ」等の事業の付加価値向上に繋がる事業・マーケティング・サプライチェーンなどの戦略企画・立案、実行支援および商品・サービスの開発
従業員数:6,374名(うち、社員2,007名 グループ全体 6,991名)※2024年3月末現在
株式会社キタムラは、写真用品店チェーン大手の『カメラのキタムラ』や子ども写真館『スタジオマリオ』等を全国1,000店舗以上で展開する、写真映像事業のリーディングカンパニーです。
リンプレスは、同社のDX推進人材育成に向けた取り組みの一環として、「顧客分析研修」「プロジェクトリーダー実践研修」「IT・システム企画実践研修」を実施いたしました。
今回は、本研修の実施に至った背景や今後の展望について、業務IT部 部長の鈴木様、同 BI/CDPグループ マネージャの栗橋様にお話を伺いました。
目次
※本件に関するお問い合わせはこちらからお願いします。キタムラ様へ直接のご連絡やお問合せはご遠慮ください。
ーまずは御社の事業内容について教えてください。
鈴木様:当社の主な事業としては『カメラのキタムラ』や『スタジオマリオ』などの店舗運営、EC事業、Apple製品の修理サービス等があります。
当社の特徴として、全国1,000店舗以上のリアル店舗を保有していることに加え、業界の中でもいち早くネットビジネスに取り組んでおり、1999年にはインターネットビジネスを開始し、2006年頃からはリアル店舗とECを融合した「オムニチャネル戦略」を展開しています。
その他、関係するグループ会社には主に写真プリントやアルバム制作・生産を行う『株式会社ラボ生産』『株式会社ラボネットワーク』や、インターネット写真プリント・フォトブック・年賀状サービス運営や生産を手がける『株式会社しまうまプリント』『株式会社しまうまプリントラボ』、フィルムカメラ・デジタルカメラ・レンズの修理事業を行う『株式会社ユー・シー・エス』などもあり、カメラや写真に関連したビジネスを幅広く展開しています。
近年ではお客様のニーズも多様化・高度化が進んでいることから、より付加価値の高いサービスを提供するため、2024年4月から『株式会社カメラのキタムラ』と『株式会社キタムラ』に分社化し、店舗運営機能と本部機能それぞれに特化した組織体制となりました。
ー所属部署の役割や担当業務について教えてください。
鈴木様:IT本部は「業務IT部」「ITインフラ部」「セキュリティチーム」「PMO」といった複数の部門・チームで構成されています。そのうち、我々が所属する「業務IT部」は『カメラのキタムラ』や『ラボネットワーク』『ラボ生産』等、グループ会社を含めたシステム開発・運用を受け持っています。
一般的にIT部門や社内SEは、現場からの要望を受けてシステムの開発やツールの導入を粛々と進めていく、ある意味コストセンターと見られがちです。
しかし、我々はコスト削減・事業改革をはじめ、いわゆる「攻めのIT」を実現するための部隊としてグループ間を繋ぐプラットフォームをつくり、売上やビジネスの拡大に貢献していくという重要な役割を担っています。
株式会社キタムラ IT本部 業務IT部 部長 鈴木 祥高 様
リンプレスに依頼する前は、どのような課題をお持ちだったのでしょうか。
栗橋様:今回は「顧客分析研修」「プロジェクトリーダー実践研修」「IT・システム企画実践研修」を実施いただきましたが、共通の目的や狙いとしてスキルの標準化というのがあります。
例えば「顧客分析研修」の実施に至った経緯としては、もともと社内SEとしてやっていたメンバーはそれなりに技術的な基礎知識があったものの、店舗など現場出身のメンバーはそもそも”機械学習やPythonで何ができるのか分からない”といった状態でした。
そのため、チームメンバーの中でも任せられるタスクに偏りが生じ、どうしても特定のメンバーに負荷がかかるという問題が生じていました。
そういった問題を解消するためにも、まずはしっかりと基礎を学んでもらうことでスキルの標準化をしていこうと考えました。
また、これまで社内SEとして自社のメンバーとしか業務上でのやり取りがなかったので、他社のプロジェクトの進め方やトレンド等が分からないといった悩みもあり、外部研修の受講を検討しました。
ーこれまでは社内教育が中心だったのでしょうか。
鈴木様:そうですね。社内には経験豊富なメンバーもいるので、要件定義やプロジェクトマネジメント等のテーマについて皆で集まってディスカッションをしたり、有識者が過去の知見やノウハウなどを伝える取り組みを行ってきました。
また、『キタムラプロジェクトガイド』というものをつくり、プロジェクト発足時にはどういった情報を集めるべきか、要件定義の最終的なアウトプットイメージなど、ある程度標準化を図っていました。ただ、それも完璧ではないため、外部の研修などで新たな知見やノウハウを取り入れながらアップデートをしているといった状況です。
ーリンプレスの研修を選んだ理由や、導入の決め手となったポイントを教えてください。
鈴木様:さまざまな研修提供会社・ラインナップがある中で、リンプレスの研修は他社と一緒に実践形式で学べるというのは導入の決め手となったポイントのひとつです。
社内SEというのはどうしても内にこもりがちというか、社内業務で手一杯となってしまうことが多く、外部とのコミュニケーションや研修の時間を捻出するのも苦労するというのが実態としてあります。
そういった面でも今回の研修は、他社とのコミュニケーションも活発にできるうえ、他社と比べて自社がどうかを知る機会にもなると思い、参加することを決定しました。
また、今回の研修はオンラインではなく、対面形式で実施するというのも評価ポイントとなった要因のひとつです。
当社もコロナ禍でオンライン研修を実施しましたが、どうしても参加者が受け身のスタンスになりがちでした。
DXという言葉が一般的に広く使われるようになり、成功事例などを目にする機会も増えましたが、DXはそう簡単に実現できるものではないと思っています。業務やビジネスそのものを変革していくためには、ユーザ側との密なコミュニケーションが必要ですので、今回の研修を通じて他の参加者と積極的にコミュニケーションを図ってもらうことを期待しました。
栗橋様:今回の「顧客分析研修」では、実際のデータを使って実践形式で研修を進めることができるという点も良かったですね。
機械学習やデータ分析の進め方を学ぶ上で、実際に手を動かしながら分析までやってみるのと、知識だけ頭に入れるのでは全く違うので、こういった実践的なカリキュラムで実施できるというのは魅力的に感じました。
他社との比較も行いましたが、リンプレスの研修はカスタマイズ性も高く、自社の課題や研修実施の目的に合ったカリキュラムをご提案いただいたので安心して研修を任せることができました。
株式会社キタムラ IT本部 業務IT部 BI/CDPグループ マネージャ 栗橋 勇太 様
ー研修の実施効果や参加者の反応について教えてください。
栗橋様:今回の「顧客分析研修」の実施効果としては、チーム内でPythonを活用したデータ分析がより活発に行われるようになり、その後の実務での活用にも繋がったという点が挙げられます。
例えば、子ども写真館の『スタジオマリオ』をご利用いただいたお客様が次回以降どういった撮影プランを希望するのか、次にどういった商品を求めるのか、いわゆる「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)」を考える際に今回学んだPythonによるデータ分析を行いました。
その他にも、ある季節までにこの商材を買った方は年賀状を注文する割合が高い、といった傾向をもとに前もって販促施策を打って購買に繋げるなど、実務におけるさまざまな取り組みに繋がっています。
今後は自チームのみならず、会社全体でデータをどう活用していくべきか、視野を広げて取り組んでいきたいと考えています。
また、「プロジェクトリーダー実践研修」「IT・システム企画実践研修」を受講したメンバーも他の参加者とのグループワークを通じて多くの気づきを得ることができたようです。
私も「プロジェクトリーダー実践研修」に参加しましたが、プロジェクトリーダー(PL)としてステークホルダをどのように巻き込んでいくか、また、プロジェクトに関わるメンバーに対してどのように振る舞うべきかなど、PLに必要なマインド・スタンスを理解することができたと感じています。
ーリンプレスの研修はどのような企業におすすめですか。
栗橋様:実際に私が受講してみて感じたのは、これから新しいリーダーを育成したいと考えている企業かつ事業規模が比較的大きい企業がおすすめだと感じています。
その理由として、データ分析に関する研修(顧客分析研修)を実施する際は、元となるデータがある程度社内で管理・収集できていないと分析までは回せないので、データ基盤がしっかりと整備されている企業が最適だと思います。
また、規模の大きな会社はDX関連のプロジェクト量も増えているはずなので、OJT形式で先輩や上司が手取り足取り教えながらプロジェクトを進めるという時間的余裕もなかなか無いかと思います。
リンプレスの研修は単に講義で知識を身につけるのではなく、より実践に近い形で、業務に役立つスキルやノウハウが習得できるので、このような課題感をお持ちの企業はぜひ取り入れてみることをお勧めします。
ー今後の展望やリンプレスに期待することを教えてください。
鈴木様:世間一般的にIT人材不足が叫ばれる中、今後ますます増えていくIT/DXプロジェクトを成功に導いていくためには「内製化」が重要なカギとなると考えています。
とはいえ現在も当社は多くのITベンダと一緒にプロジェクトを進めている状況ですし、今後内製化に舵を切ったとしてもITベンダとの関係性がゼロになるとは思っていません。
内製化を進めていくためにはテクノロジーに関する知識も必要ですが、我々のような事業会社の社内SEにはプロジェクトを何が何でもやり切るといった「突破力」を身につけていただきたいと考えています。
プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)に求められるのは、プロジェクトマネジメント技法などの知識よりも、社内のステークホルダやITベンダを巻き込みながら何とかこの時期までにプロジェクトを終わらせるんだ、といった力だと思うんですよね。実際に社内でもPL/PMは肩書きではなくて役割なので、必ずそのプロジェクトを終わらせるための責任を負っているんだという意識を持つよう伝えています。
今回の研修ではデータ分析やプロジェクト推進、IT・システム企画など、幅広く学んでもらいましたので、この経験を活かして他者を巻き込みながらプロジェクトを推進できる人材に育っていってほしいと思います。
今後も『キタムラプロジェクトガイド』はさまざまな情報を取り入れながらアップデートしていきたいと考えていますので、リンプレスには既存の研修に留まらず幅広くご支援いただければと思います。
(取材・文/森田 晋之介)
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